(1)  原型作成 ~  ゴム型作成

1. 左:原型、右:スプルー付き原型
2. シリコンゴムを詰める
3. ゴム加硫器にアルミ枠をセット
4. ゴム切り風景
5. ゴム型の完成
 
  • 銀などの金属を用いて『 原型 』を作成し、スプルー( 湯道 )を付けます。
  • アルミ製の枠の中にシリコンゴムを詰め、その中に原型および、( ワックスのインジェクション口となる )円錐状の湯口を置きます。
    さらに上からシリコンゴムを詰めます。
  • アルミ枠に詰めたシリコンゴムを、熱板でプレスし、硬化させます。( 加硫 )

    ( エア式ゴム加硫器 AV4 を使用 )

  • 加硫したゴム型をメス刃で切り、原型を取り出します。
    この時、後で注入するワックスが取り出しやすいように、また上下のゴムがお互いずれないように切り離します。
  • 『 ゴム型 』の完成です。

 

(2)  ワックスパターン作成 ~  ワックスツリー組立

     
1. ワックスインジェクタに
ゴム型をセット
 
2. 原型と同じワックスパターン
 
3. ワックスパターンを取り出す
 
       
4. ワックスツリー組立風景
 
5. ワックスツリーの完成
     
  • ワックスインジェクタのクランプ部にゴム型をセットし、適温に溶解したワックスをインジェクションします。

    ( スマートWAXインジェクター ALTIMA を使用 )

  • ワックスの硬化を待ってから、ゴム型を開きます。原型と同じ形状の『 ワックスパターン 』の出来上がりです。
  • ゴム型から、丁寧にワックスパターンを取り出します。
  • 加熱したワックスペンで、同じ材質のセンタースプルー( 中心の棒 )にワックスパターンを取り付けていきます。
  • 『 ワックスツリー 』( 木のような形状になるため )の完成です。

 

(3)  埋没 ~  鋳型焼成

     
1. ステンレス製のフラスコをかぶせる
 
2. 埋没材と水を攪拌
 
3. 埋没材をフラスコに注ぐ
 
       
4. 埋没材の中の気泡を抜く( 脱泡 )
 
5. 電気炉で鋳型を焼成
     
  • ワックスツリーにステンレス製のフラスコをかぶせます。
  • 埋没材と水を攪拌します。
    ( 攪拌機を使用 )
  • 埋没材をフラスコの中に注ぎます。
  • 真空脱泡機で埋没材の中の気泡を抜く工程( 脱泡 )を必要に応じて行います。

    ( 真空脱泡機 VIM を使用 )

  • 埋没材が固まったら、電気炉で埋没材の中のワックスを抜きます( 脱ロウ )。その後、高温で焼きますと、( 焼成 )、『 鋳型 』の完成です。

     回転式電気炉 RBF13 を使用 )

 

 (4)  鋳造 ~  洗浄

     
1.坩堝に地金を入れます
 
2. 鋳造機に鋳型をセット
 
3. 地金の溶解風景
( 溶解観察窓より )
 
       
4. ウォータージェットによる
埋没材除去風景
 
5. 酸処理後の鋳造ツリー(Ag925)
     
  • 比重計算した地金を鋳造機の坩堝に入れます。
  • 鋳造に適した温度に焼成した鋳型を電気炉から取り出し、鋳造機にセットします。
  • あらかじめ設定されたパラメータに従い鋳造します。

    鋳型の細部までしっかりと地金を充填させるため、加圧や吸引( 真空吸引加圧鋳造機 K2NEXT )、または遠心力( 真空遠心鋳造機 VCC ) を加えることが重要です。

    ( 金・銀・ホワイトゴールド等は 真空吸引加圧鋳造機 K2NEXT を、プラチナ系は 真空遠心鋳造機 VCC を使用 )

  • 埋没材を割り、鋳型から鋳造物を取り出します。
    ( 鋳造後の鋳型を水に入れて急冷し、石膏を割る方法がよく用いられます。 )
    埋没材を完全に除去するために、ウォータージェットで鋳造物の細部までよく洗浄します。
    ( ウォータージェットを使用 )
  • 洗浄後、酸処理等を行い、『 鋳造ツリー 』の完成です。

 

(5)  そして完成へ

     
1. 湯道をカットしている風景
 
2. バレル研磨
 
3. バフ研磨風景
 
       
4. 傷、巣、石の緩みなどを検査
 
5. 商品の完成
     
  • ジュエリーカッターで湯道をカットし、鋳造ツリーから製品を切り離します。
  • バレル研磨します。

    ( 精密研磨システム を使用 )

  • バフ等で研磨します。
  • 検品を行います。
  • 『 商品 』の完成です。
    このような工程で、リング・ブローチ・イヤリング等のジュエリーや、眼鏡・時計・歯等が作られています。
    ( 最近では、ステンレス等の新素材で精密部品も作られています。 )